【テーマ】健康診断から危険を考える

担当:工事部 武村充敏
実施日:2022年6月27日

我社の工事部スタッフは一般健康診断と同時に、
じん肺健診振動の特殊健康診断6ヶ月ごと1回受診しています。
※じん肺健診は管理区分に応じて1~3年ごとに1回

今回の安全協議会は、特殊健康診断を受診するということはそれだけ危険なモノを取り扱っているという認識をしてもらうことを目的として行いました。

1.健康診断はなぜ必要か?

大前提として、法律で定められています。
企業にとっても従業員にとっても義務です。
そして、健康診断は必ず業務時間内で実施することになっています。
スタッフが健康であるということは、業務の生産性向上につながり、さらには企業の安定的な成長につながることでしょう。

2.じん肺

じん肺とは、

主として小さな土ぼこりや金属の粒などの無機物または鉱物性の粉じんの発生する環境で仕事をしている方が、その粉じんを長い年月にわたって多量に吸い込むことで、肺の組織が線維化し、硬くなって弾力性を失ってしまった病気。

じん肺の初期段階では自覚症状がありません。
また現在の医学ではじん肺を治すことができません。
定期的に健康診断を受診し、早期発見することが重要だということがわかります。
 
 
💡じん肺にならないためには

①粉塵の発生を抑える
ハンマードリルでコンクリートを穿孔すると粉塵が発生します。
我社では、『吸塵ビット』を使用することを基本として、粉塵を発生させないようにしています。
吸塵ビットの使用が困難な状況でもできる限り集塵パッドを使用して集塵します。

②換気をする
現場によっては難しいかもしれませんが、現場を密閉して送風機を設置し、現場の反対側を少し開放しておくことで効果的な換気ができます。
またこの時、空気の流れの向きが一定になるので、風上で作業すると良いです。

③防じんマスクの着用
どうしても粉塵が発生する場合は防じんマスクを着用します。
我社の規定では取替式防じんマスクのフィルターは50日使用ごとに交換することとしています。

3.振動障害

振動障害は、チェーンソー、グラインダー、刈払機などの振動工具の使用により発生する手指等の末梢循環障害、末梢神経障害及び運動器(骨、関節系)障害の3つの障害の総称です。
 
 
💡振動障害にならないためには

①振動工具の選定
振動工具には各メーカーが発表している周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値があります。
この数値が低いほど振動は少ないとされています。
できるだけ3軸合成値の低い機械を選びます。
我社で使用しているハンマードリルの3軸合成値は概ね10m/s2程度で、1日あたりの振動ばく露限界時間は2時間程度となっています。

②振動業務とそれ以外の業務を組み合わせて一連続作業後の休止時間を設ける
我社ではあと施工アンカーの穿孔に振動工具であるハンマードリルを使用します。
ピストンによる打撃機構を有する工具は概ね10分以内で5分以上休止すること、その他の振動工具では概ね30分以内で5分以上休止することととされています。
穿孔と定着をうまく組み合わせて連続作業にならないように工夫します。

4.まとめ

特殊健康診断があるということは、間違えると健康に害のあるものを取り扱っているということです。
健康診断を受診することは大切なことですが、その前に病気にならないように対策することが大切です。
自分の仕事の危険と対策を理解して、明日からも安全作業でお願いします。