【テーマ】習慣

担当:工事部 生田宏司
実施日:2023年08月25日

今回「習慣」をテーマにした理由は、
・安全に対する意識が良くも悪くも習慣化されていないかと気づいた。
・間違ったことでも「習慣」となると、それが正しいと思うようになる。
・KY記入時、面倒だと感じることなく自然に同じ文面で埋ってしまう。(悪しき習慣)
といった点からです。

日頃の「習慣」に気付いて自身の安全意識を喚起させる為、今回はこのテーマで協議会を行いました。

1.ご安全に!

「ご安全に」という言葉。
朝礼の締めで使うこの言葉は、建設業に従事している方にとっては当たり前のものですが、一般の方には馴染みがなく、違和感があるそうです。
この言葉を違和感なく感じるのはどっぷりこの業界に浸かってしまったからであり、これも一つの「習慣」となっているのだと思います。

そもそも、この「ご安全に」というのは、正しい日本語なのでしょうか?
元々はドイツの炭鉱夫の間で使われていた言葉だそうで、日本では昭和28年に某製鉄会社であいさつ言葉として使われるようになったようです。

お互い事故に気を付けましょうという、相手を思いやる気持ちと自身の安全意識も喚起させることができる万能な挨拶が「ご安全に!」です。
本日もご安全に!

2.17件/44件

この「17件/44件」という数字、何だと思いますか?
これは、2023.3月~8月で私が携わった「ラジオ体操実施現場数」です。

腰痛持ちの私にとって「ラジオ体操」は、大切なイベントです。

とある安全協議会の講師から、こんな名言をお聞きしました。
「ラジオ体操すらちゃんとできないものは作業はできない」

みなさん、ラジオ体操、真剣に取り組んでいますか?
ここ最近、ラジオ体操が省かれる現場も多くなってきました。
ラジオ体操を行わない現場では、施工前にストレッチをする習慣を身につけましょう!

3.新規入場者教育

これも建設業に従事している方々にはお馴染みのもので「習慣化」されています。

新規入場アンケートには当然意味があります。
① 万が一の緊急連絡
経験年数を把握することで業務の質の高さを測る基準になる。
一年以内に健康診断を受けているかどうか、雇用契約を結べているかを把握することで、ちゃんとした人なのかを知ることができる。
② けが、事故、熱中症経験を知ることで特定者を気にすることが出来る。
③ 労災事故が起きた場合に遅滞なく労働基準監督署に提出できるよう、記入項目が共通項目となっている。

その他に、
・工事名、工期、発注者、管理者、時間スケジュール、トイレ場所
・安全通路(足場から、内階段、ピアット使用時間)
などの情報を得ることが出来ますので、「新規入場者教育」は真剣に受けましょう。

4.KY活動(危険予知活動)

こちらもお馴染みですね。

みなさまはKY用紙を手にした時の憂鬱度はどれくらいでしょうか?

①ホッとするKY用紙の代表例

施工者数のみで名前はリーダーのみの規格様式のもの。
※雑に積まれて埋もれてしまう可能性あり

②少し憂鬱度が増す“リスクアセスメント”付きKY用紙

リスクアセスメントが盛り込まれたこのKY用紙は、H18年4月(17年前)に改正労働安全衛生法の条文が追加されています。
こちらは監督さんのチェックも入り、施工終了時に現場事務所へ提出することになります。
※ファイリングされて大切に保管されるタイプ

③個人的に焦るKY用紙
今年の3月に入社した私は、いまだに覚えられていない会社住所や電話番号を記載するタイプのものは焦ります😅

というようにKY用紙のパターンは豊富にあるので、憂鬱になる方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

さて、当たり前に書いているこのKY用紙ですが、いつも決まった文言になっていませんか

労働災害の発生原因のおよそ80%は、「ぼんやり」「うっかり」「大丈夫だろう」といったヒューマンエラー(不安全行動)によるものだといわれています。
KY活動を行うことで、危険への感受性を高め、ヒューマンエラーの減少につながることが期待されています。

KYのマンネリを打破するため、各ゼネコンさんも色々と考えておられます。
某ゼネコンさんでは、
「手元、足元注意で作業します」← 禁止
という代表的なこの文言を禁止しております。

危険予知(KY)というのは、連日の同じ作業でも気候や体調の変化等により作業環境は毎日変わるはずで、同じ危険ポイントでも前日と同じではありません。
同じ現場、同じ生活環境が続くと危険に対する意識もマンネリ化してしまいます。
悪しき習慣の払拭が必要ですね。

5.危険に対して目覚めた日

2023年4月14日㊎、今までに経験したことがないことが起こりました。

とある施工をしていた際、若手社員の堅太君が叫びました。
「そこ持ったら危ないですよ!!」

私はコアのピースを抜く為に、“ドリルの刃先”を持ってしまっていました。
私は咄嗟に、「スイッチがここだから(大丈夫)」とひと言。

すべきことはしているという念のひと言となってしまいましたが、
本当なら注意してくれたありがとうの一言を言わなければいけませんでした。

以前からの習慣がやはり出てしまう。
バッテリーを外したり、線を抜いての交換作業の習慣を身に着けていく必要があると感じました。

そして今回、叫んでくれた堅太君に対して「ありがとう」を咄嗟に言えなかった理由として、
~注意されたことが恥ずかしかったから~という感情があります。

この一件で、年上や先輩などにも関係なく、注意や指摘ができる風通しの良い会社だと感じた瞬間でした。

自身のこれまでを振り返ると、
今まで注意されたことはなかったし、誰に対しても言いずらい雰囲気でした。
「危ないぞ!」ではなく、事が起こった後の「危なかったなぁ」と笑って済ます悪しき習慣。
その結果ヒヤリハットだけで終わり、その後記憶から消えて繰り返してしまう。

この悪しき習慣に気付き、是正することが安全への第一歩でもあると思います。

6.まとめ・所感

〇危険源と人間が介在する限り、リスクがゼロになることはあり得ない。
〇KYを行っても事故は起こるが危険行為を知っている以上その行為をしてはいけない。
〇誰にでも躊躇なく「危ない!」と言えるような風通しの良い社風であり続ける。
〇悪しき習慣に早く気づきましょう。  

KY記入時は無事に作業が終了して帰宅できることを思って書きましょう!

それでは、本日もご安全に!


工事部 生田宏司