【テーマ】玉掛け作業について

担当:工事部 目黒秀一
実施日:2023年11月27日(月)

弊社の社員は「玉掛け」の資格を有しているものの、実際にクレーンを使っての玉掛け作業に携わることが少ないです。
つい先ごろ某現場でクレーンを使った荷下ろし作業がありましたので、それを振り返りながら、
全社で改めて『玉掛け作業』の安全について学ぼうと思いました。

1.玉掛け作業とは?

クレーン等を用いて荷を移動させる際に行う、玉掛用具を用いた荷掛けおよび荷外し作業をいいます。

つまり
・つり荷をクレーン等で吊るために使用する玉掛け用ワイヤーロープ等の選定、
・荷のつり上げ、
・つり荷の誘導 および つり荷を所定の位置に置き、
・つり荷からつり具を外す
までの一連の作業が該当します。

重量物を取り扱う大変危険な作業であるうえ、クレーン等の運転者と息を合わせて行う共同作業でもあり、作業を安全に進めるためには玉掛け作業の方法や玉掛用具についての知識はもちろん、クレーン等の構造や性能についても理解しておくことが必要であり、所定の教育を受けたものでなければ就業してはならない(就業制限業務)ことになっています。

2.玉掛け作業者の資格

玉掛け作業を行うには、法定の講習を受講しなければなりません。

≪資格区分≫
つり上げる荷の重さではなく、クレーンの性能(つり上げ荷重)によって決まります。
たとえば、質量が0.1トンのつり荷であっても、つり上げ荷重1トン以上クレーン等を使う場合は技能講習が必要になります。

使用するクレーン等の
・つり上げ荷重が1トン以上の場合は、玉掛け技能講習
・つり上げ荷重が1トン未満の場合は、玉掛けの業務に関わる特別の教育
を修了することが必要です。

3.考えてみよう!

ここで質問です!
『玉掛け』の語源は何でしょう???

★「玉掛け」の由来 その1
・フックの形が勾玉(まがたま)に似ているから

★「玉掛け」の由来 その2
・玉(球体)を吊ることのように、難しい作業だから

★「玉掛け」の由来 その3
・ワイヤーロープの端末のアイの部分の丸い形が玉と考えられ、フックにアイ(玉)を掛ける作業から

★「玉掛け」の由来 その4
・掛け軸を掛ける時に宝石(玉)を使っていて、その時の動作と似ているから

私は、その4の「掛け軸を掛ける所作に似ている」説が一番近いのではないかと考えました。

4.玉掛け作業の事前準備(作業計画)

1.現場の状況は?
 ・図面や写真にて確認。
 ・トラックをどこに停めるか。
 ・荷を下ろす場所はどんなところか。

2.つり荷はどんなもの?
 ・何を釣るのか。
 ・どれだけ釣るのか。
 ・重量はどれだけか。

3.つり具は何にする?
 ・ワイヤーロープ。
 ・繊維スリング。
 ・チェーン。

4.つり方はどうする?
 ・鉄筋が落ちない釣り方。
 ・丸太結び。
 ・もっこ吊り。

5.人員の配置は?
 ・荷を釣る人。
 ・クレーン運転者に指示を出す人。
 ・荷を受け取りほどく人。

5.安全に玉掛け作業をするために

1.つり具の点検
・点検シールのカラーで判断する。
 テープ色のローテーションは、緑➔黄➔赤➔白🔁
 み・ぎ・あ・し と覚えよう。

2.333運動 
・玉掛けして3秒待つ
・地切りは30cm以内
・合図者は3m離れる

3.合図のしかた
・用語と動作を覚える
・合図者はオペレーターが見間違えないような工夫も必要。

 
 
それでは、本日もご安全に!


工事部 目黒秀一